グリーフ、グリーフケアとは

グリーフとは

「グリーフ」とは、深い悲しみ、悲嘆、苦悩を示す言葉です。

「グリーフ」は、自分にとって大切な人・物・事柄の喪失・決別に伴って起こる、正常な心の動きです。

ライフサイクルのさまざまな場面で、喪失や決別は必然的に訪れます。

  • ● 離別、死別、死
  • ● 成長、卒業、自立、引越し、結婚、子離れ、
  • ● 失敗、信頼喪失、転勤、転職、失職、退職、
  • ● 怪我、病気、事件、事故、災害

最も大きな喪失は、家族やかけがえの無い人との死別です。
特に災害や事件・事故、あるいは自死など、予期せぬ形で家族と死別することは、最悪の喪失体験であり、大きなグリーフとなる可能性があります。

グリーフケアとは

グリーフケアとは、
さまざまな喪失と決別を経験した人が、
失った〈ひと・もの・こと〉を丁寧に思い起こし、感謝し、別れを十分に嘆き、グリーフを大切に憶え続ける心の準備をするために、ケア者が、心を向け、寄り添い、ありのままを受け入れて、その方々が自立し、成長し、希望を持つことができるように支援することです。

現代日本は、「超高齢社会」を迎えました。齢を重ね、多くのグリーフを経験し、死を身近に感じている人々が増加しています。
また、多くの人が都市に移り、核家族化が進み、近年は病院で亡くなる方が大半となりました。そのため、近親者の死を身近に経験する機会、死と向き合う機会が減少しました。
さらに、伝統的な宗教が弱体化し、葬送儀礼も形骸化しつつあります。地域社会も弱体化し、葬送に対する地域社会からのサポートも減少しています。死生観が空洞化し、悲嘆を抱える方々を支える場、癒しの場が少なくなっています。

価値多元社会とも言える現代は、一人ひとりが、自分らしい死生観を生きる時代であると言うこともできます。
医療・福祉・介護の現場、災害や事件・事故の現場、教育の現場、葬儀の現場など、さまざまな現場において、グリーフケアが必要とされる時代となっています。また、ケア者の為のケアも重要になってきています。

グリーフケア資格認定制度創設の意味

グリーフの中にいる人たちに向けての適切なサポートやケアの重要性がますます高まっている現代日本社会において、

死別悲嘆に直接かかわる葬儀業界では、
葬儀の施行に加え、サポートやケアなどのスキルを持った専門職の育成が非常に重要になってきていることから、本制度を創設します。

グリーフケアは、葬儀施行以外にも医療の現場を始め様々な現場で必要とされるものです。
また、グリーフを抱える「悲嘆者」が日常の生活の中でケアされる、健全な社会の構築も重要です。
そのためこの制度は、葬儀業界関係者だけを対象とせず、多くの方に受験していただけるように致します。


[資格監修]上智大学グリーフケア研究所

グリーフケアの必要性の高まりを受けて、2009年4月に日本で初めてグリーフケアを専門とした教育機関として設立。2010年4月からは上智大学に移管され、グリーフケアにかかる研究とグリーフケア、スピリチュアルケアに携わる人材の養成を通して、日本におけるグリーフケアの理解・啓発を行い、グリーフを抱える「悲嘆者」がケアされる健全な社会の構築に貢献する事を目的に研究教育活動を行っている。


<制度運営>

一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団
〒105-0003 東京都港区西新橋1-18-12 COMS虎ノ門4F
Tel:03-3500-4211  Fax:03-3500-4212