國學院大學オープンカレッジ

特別講座(平成29年度)

平成26年度より実施している國學院大學オープンカレッジは、本年4年目を迎えます。4年前、全互協は儀式継創委員会を発足させ、儀式文化継承のための検討、儀式創新などに取り組み始めました。その具体的な方法の一つとして、また消費者にこうした取り組みを伝える方法として、國學院大學のオープンカレッジに協力して特別講座を開講したものです(互助会保証㈱・㈱冠婚葬祭総合研究所と共催)。昨年は少子高齢化社会における課題について講座を展開致しましたが、本年は「変わる社会 -これからのシニア世代」として、団塊の世代やその前後の世代を含めた人々がこれからの社会の中でどうあるべきか、豊かに暮らすにはどうしたらよいのかを探ってまいります。

※國學院大學オープンカレッジは、平成29年度より(一社)全日本冠婚葬祭互助協会から(一財)冠婚葬祭文化振興財団へ移管されています。平成27年度までは関連リンクより(一社)全日本冠婚葬祭互助協会をご覧ください。

講座名
変わる社会 -これからのシニア世代-
共催
一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団・互助会保証株式会社・株式会社冠婚葬祭総合研究所
講座内容

 日本人の寿命は延び、平均寿命は男性が約81歳、女性が87歳となりました。私たちはシニアの長い時代を生きています。
 かつては「隠居」といって、一線を退いてそれまでの人間関係や俗世から離れ、山野に隠れ住むような習慣がありました。しかしながら現代の日本社会では、新たな領域や可能性にチャレンジするシニア世代も少なくありません。一方で、体力の衰えや、家族構造の変化によって、従来当たり前とされてきたことがそのままできないと感じる機会もあります。
 変わる社会の中で、シニア世代がこれから迎えるさまざまな問題を、いくつかの視点から取り上げて考えたいと思います。シニア世代がより豊かに暮らしていくためにはどうしたらいいのか、儀礼文化を通して考えます。

講座日程・内容
  講座日程 14:30~16:00
1 5月19日(金) 「死」とどのように向き合えばいいのか‐変りゆく日本人の死生観‐ 国立歴史民俗博物館
民俗研究系 准教授 山田 慎也
2 6月16日(金) 独居問題と高齢者の暮らし方 フリーランスライター
生活アドバイザー 石川 由紀
3 7月14日(金) 地域医療・在宅医療のこれから ―介護と向き合うヒント― 介護ジャーナリスト
介護福祉士 小山 朝子
4 10月20日(金) 団塊世代は高齢社会を変えるのか ㈱博報堂新しい大人文化研究所
所長 阪本 節郎
5 11月17日(金) シニア年代と豊かさ(儀礼文化の面から) 國學院大學教授
副学長・教授 石井 研士
コーディネーター
石井研士 國學院大學教授・博士(宗教学)・副学長(専門分野:宗教学・宗教社会学)
司会進行
松本昌子 國學院大學神道文化学部学務補助員
お問合せ先
一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団 事務局
Tel:03-3500-4211  Fax:03-3500-4212
國學院大學エクステンションセンター
〔受付時間〕月~土曜日 9時~17時(除く祝日・大学行事日)
Tel:03-5466-0270  Fax:03-5466-0528
URL  http://www.kokugakuin.ac.jp/eq
國學院大學オープンカレッジとは

このたび支援・協力させていただく「國學院大學オープンカレッジ」は年齢・性別・学歴等を問わず、すべての方々に解放し、人生をより豊かな、充実したものにするための一助となることを願い、平成4年に7講座で産声を上げました。26年目となる今年度は特別講座「変わる社会 -これからのシニア世代-」を始め、文学・歴史・民俗学や書道など53講座が用意されています。

 

出演者プロフィール(敬称略)

  • 山田 慎也 (やまだ しんや)

    国立歴史民俗博物館 民族研究系 准教授
    1968年、千葉県生まれ。国立歴史民俗博物館准教授および総合研究大学院大学准教授を併任。社会学博士。専攻は民俗学。葬送儀礼の近代化と死生観の変容を主な研究テーマとする。1992年、慶応義塾大法学部法律学科卒業。1997年、慶応義塾大大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学後、国立民族学博物館COE研究員、国立歴史民俗博物館民俗研究部助手を経て、平成19年8月に現職となる。
    単著に『現代日本の死と葬儀 葬祭業の展開と死生観の変容』(東京大学出版会)、共編著に『変容する死の文化 現代東アジアの葬送と墓制』(東京大学出版会)、『冠婚葬祭の歴史』(水曜社)、『近代化のなかの誕生と死』(岩田書院)などがある。

  • 石川 由紀 (いしかわ ゆき)

    フリーランスライター・生活アドバイザー
    1990年に「単身けん」(ひとりで生きるために、単身者の生活権を検証する会)が発足し、27年間事務局長として会員の様々な困りごとに関わり、解決の道を探ってきた。
    企画会社及び食品流通会社経営の傍ら、生活アドバイザーとして執筆・講演活動をしてきた。
    教育関係・女性問題・生活関連の各市民団体で世話人としての活動歴も40年を超える。

    著書
    「なぜか誰も教えない 60歳からの幸せの条件」情報センター出版局(2004.9)
    「老後を豊かに生きる ひとり暮らし安心術」 情報センター出版局(2008.8) 他多数

  • 小山 朝子(こやま あさこ)

    介護ジャーナリスト/介護福祉士
    東京都生まれ。20代から約10年にわたり洋画家の祖母を介護。当事者・ジャーナリスト・介護職の視点から執筆するほか、各地で講演。ラジオNIKKEIの番組レギュラー出演をはじめ、テレビ、雑誌などを通じて、独自の論を展開している。「ワーク介護バランス」(全3巻)ほか著書多数。
    現在、日本在宅ホスピス協会役員、高齢者アクティビティ開発センター講師・評議員、東京都福祉サービス第三者評価認証評価者、All About(オールアバウト)「介護福祉士」ガイドなどもつとめる。
    2017年、『小学生からの介護マニュアル(仮)』(講談社)を刊行予定。

  • 阪本 節郎 (さかもと せつお)

    株式会社博報堂 新しい大人文化研究所 統括プロデューサー
    1975年早稲田大学商学部卒業。(株)博報堂入社。食品・トイレタリー・自動車・OA・金融等のプロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わりつつ、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。地域社会・NPO・環境・高齢者・教育サイトなどのテーマに取組む。2000年エルダービジネス推進室開設を推進し、2011年新しい大人文化研究所を設立、所長を経て現在に至る。企業映像フェスタ経団連会長賞(最高賞)(1997年)、「消費者のためになった広告」銀賞(1999年)受賞。「少子高齢社会と生活者の意識変化・動向変化」を専門領域としている。
    著書に「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著)、「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月)。「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)など。

  • 石井 研士 (いしい けんじ)

    國學院大學教授・副学長
    都立小石川高校を経て東京大学文科Ⅲ類へ入学。
    専門課程は宗教学宗教史学科へ。東京大学人文科学研究科宗教学・宗教史学専攻へ進学。
    その後、東京大学文学部助手、文化庁宗務課専門職員を経て、現在、國學院大學神道文化学部教授(博士・宗教学) 。
    専 門・・・宗教学・宗教社会学
    研究領域・・・現代社会と宗教
    【著書】
    「銀座の神々―都市に溶け込む宗教」(新曜社 1994年)、「都市の年中行事─変容する日本人の心性」( 春秋社 1994年)、「データブック 現代日本人の宗教」(新曜社 1997年)、「戦後の社会変動と神社神道」(大明堂 1998年)、「手にとるように宗教がわかる本」(かんき出版 2002年)、「日本人の一年と一生 変わりゆく日本人の心性」(春秋社 2005年)、「結婚式 幸せを創る儀式」(日本放送出版協会 2005年)、「テレビと宗教 オウム以後を問い直す」(中公新社クラレ 2008年)、「プレステップ宗教学」(弘文堂 2010年)など。

特別講座(平成30年度)

講座名
「儀式創新-過去から学ぶ現代の潮流-」
共 催
一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団 ・互助会保証株式会社 ・株式会社冠婚葬祭総合研究所
講座内容

 私たちはそう遠くないうちに平均寿命100歳を経験することになります。私たち日本人を取り巻く社会的環境は大きく変化しています。「人生を健康で長く、豊かに、幸せにすごしたい」という思いはますます強くなっているように思います。
一方で、生涯独身率は急速に上昇し、家族を形成することなく「一人」で人生を過ごす人が珍しくなくなりました。かつての血縁や地縁とは異なった人間関係の形成が求められています。
今、あらためて誕生から死に至るまでの物語を、婚礼 ・ 葬儀の 儀礼文化を通して考えたいと思います。たんなる伝統的な儀礼の復活ではなく、100歳の生涯を豊かに生きていくための「儀式創新」を提唱したいと思います。

講座日程・内容
  講座日程 14:30~16:00
1 5月18日(金) 皇室の結婚式~儀式の流れからお料理の献立まで 季刊『皇室』(株式会社 扶桑社)編集長 伊豆野 誠
2 6月15日(金) 若者の意識-恋愛事情から結婚観まで- ㈱ニッセイ基礎研究所 久我 尚子
3 7月13日(金) 葬儀におけるさまざまな儀礼の意味 国立歴史民俗博物館民俗研究系
准教授 山田 慎也
4 10月19日(金) 現代日本にみる死生観の変化 東北大学
総長特命教授 鈴木 岩弓
5 11月16日(金) ライフ・シフト-人生百年の儀礼構想 國學院大學
副学長・教授 石井 研士
コーディネーター
石井研士 國學院大學教授・博士(宗教学)・副学長(専門分野:宗教学・宗教社会学)
司会進行
松本昌子 國學院大學神道文化学部学務補助員

 

出演者プロフィール(敬称略)

  • 伊豆野 誠 (いずの まこと)

    (株)扶桑社 『皇室』編集部 編集長
    昭和37年、熊本県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、TBSブリタニカ入社。『ニューズウィーク日本版』編集部勤務を経て、産経出版社に入社、『週間サンケイ』編集部で記者として従事。昭和62年、産経出版と扶桑社合併。『週間SPA!』編集部勤務となる。副編集長を経て平成12年、『月間ビジネスSPA!』編集長、平成13年、『季刊 皇室』編集長に。編集長としての出版物に『皇后さまのご親蚕』、『熊野古道 公式完全ガイド』、『フクワウチ伊勢』など多数。また、最近では、神社本庁監修による「神社検定公式テキスト」である『神社のいろは』『遷宮のつぼ』の執筆等も手がけている。

  • 久我 尚子 (くが なおこ)

    ニッセイ基礎研究所
    2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社。2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用。2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門。2016年7月よりニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員
    企画会社及び食品流通会社経営の傍ら、生活アドバイザーとして執筆・講演活動をしてきた。
    日本マーケティング協会「シニアマーケット委員会」委員(2011~2012年)
    ・内閣府「統計委員会」専門委員(2013~2015年)
    ・神奈川県「神奈川なでしこブランドアドバイザリー委員会」委員(2013年~)
    ・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
    ・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017~)

  • 山田 慎也 (やまだ しんや)

    国立歴史民俗博物館民族研究系 准教授
    1968年、千葉県生まれ。国立歴史民俗博物館准教授および総合研究大学院大学准教授を併任。社会学博士。専攻は民俗学。葬送儀礼の近代化と死生観の変容を主な研究テーマとする。1992年、慶応義塾大法学部法律学科卒業。1997年、慶応義塾大大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学後、国立民族学博物館COE研究員、国立歴史民俗博物館民俗研究部助手を経て、平成19年8月に現職となる。

    著書
    『現代日本の死と葬儀 葬祭業の展開と死生観の変容』(東京大学出版会)、共編著に『変容する死の文化 現代東アジアの葬送と墓制』(東京大学出版会)、『冠婚葬祭の歴史』(水曜社)、『近代化のなかの誕生と死』(岩田書院)などがある。

  • 鈴木 岩弓 (すずき いわゆみ)

    東北大学総長特命教授・名誉教授
    東北大学教養教育院
    専門 ・・・ 宗教民俗学・死生学
    1982年東北大学大学院満期退学後、島根大学助教授などを経て00年に東北大学大学院文学研究科教授(宗教学)。17年3月に定年退職し、同4月より東北大学総長特命教授。震災後の2012年4月からは文学部に「実践宗教学寄附講座」を設置し「臨床宗教師」の養成を進める。

    著書
    『いま、この日本の家族―絆のゆくえ―』(弘文堂)、『変容する死の文化―現代東アジアの葬送と墓制―』(東京大学出版会)など。

    産学連携実績
    布教では無く、超宗派超宗教的見地からグリーフケア、ターミナルケアそして医療者のための宗教的ケアができる「臨床宗教師」の養成を目指してきたが、今では龍谷大学・上智大学など全国の八大学が追随し、公立病院での雇用も始まり社会実装が進んでいる。