7.大津夜まわりの会

〇テーマ:

子供学習支援事業「2019年夏休みこどもひまわりの家」

〇概要:

子どもの貧困が社会問題化するなか、一人親家庭や共稼ぎ家庭の子ども達に夏休みの居場所や勉強の場所、昼食、経験体験を提供し、友達づくりや思い出づくりの応援をする。

〇実施内容:

一人親家庭や共働き家庭、あるいは友達が近所にいない、といった理由で、夏休み期間中、子どもだけで過ごしたり、孤立したりする児童に「居場所」をつくるとともに勉強の場、昼食、さまざまな体験・経験を提供し、友だち作り、思い出作りを応援することによって児童の健全育成を図ること、ひいては「貧困の連鎖」防止の一助にすることを目的に、事業を実施した。
具体的には7月30日(火)から8月27日(火)までの間に計8回の「こどもひまわりの家」を開催。参加希望児童(1~6年生)は8回延べ312人を数えたが、会場の収容能力などから人数を調整し、最終的に延べ203人(実数52人)が参加した。
開催日の日課は午前10時から午後4時までで、午前中は学習(自習)、食事とマナー学習を兼ねた昼食をはさんで、午後は外部講師らによる特別活動のあと、ボランティア学生らを囲んでのお話し・おやつタイム、最後に日記を書いて帰るというスケジュール。特別活動は防災教室やヨシ工作教室、おもしろアート教室、絵本の読み聞かせ、楽しいマジック教室、世界を知る教室、学生人形劇団の公演のほか、滋賀県警察本部の見学、大津市科学館でのプラネタリウム鑑賞など、ふだん学校生活では体験できない活動を盛り込んだ。
児童たちの見守りや手助け、話し相手をしてくれたのは、高校生、専門学校生、短大・大学生ら計38人(男性10人、女性28人)で、参加回数は1回~数回とさまざまだったが、ほとんどの人が熱心に取り組み、「良き先輩」「お兄さん」「お姉さん」として児童から慕われていた。
事業実施にあたっては、大津市と大津市教育委員会、大津市社会福祉事業団の後援を得たほか、児童募集には地元の小学校、母子福祉団体、行政の福祉関係窓口などの協力を求め、またボランティア募集には滋賀県社会福祉協議会のボランティアネットへの掲出はじめ、地元大学、高校での校内掲示を依頼した。

〇事業の効果:

「夏休みこどもひまわりの家」に参加した児童52人の保護者37人全員に、申し込み時点で事情を聴いたところ、31人(81%)が「一人親」「共働き」のほか「乳児がいる」「老親の介護が必要」「子どもに友達がいない」など、夏休みに「居場所」が必要と認めれられた。また実施後の保護者アンケートでは「昼間、両親が仕事でいないので、助かりました」「お昼ご飯を作る必要がなく、ありがたかった」「子供はとても楽しそうでした」「いろいろな企画でいろんな体験をさせてもらい、たくさんの思い出ができたと思います」「来年もぜひとも続けてほしい」等々、評価と感謝の言葉が目立った。これらは本事業が所期の目的を達したことを裏付けていると思う。
一方、ボランティアとして参加した高校生・大学生らも38人と過去最多で、アンケートに回答のあった全員が「参加してよかった」と答えており、子どもへの居場所提供、学習支援の意義を彼らに体感させることができた。
ただ、申し込み人数が52人と過去最多にのぼり、会場の広さの関係等で人数制限をせざるを得ず、参加回数を減らすことになったのは残念だった。また、保護者アンケートでは開催回数の増加を望む声が少なからずあった。ボランティア学生についてはいえば、人数は確保できたが、1日や2日限りの参加者が多かったため、経験不足や児童とのなじみの薄さなどが気になった。一方、昼食の提供については、メニューづくりや調理スタッフの確保など、現状維持が精いっぱいで、限界も感じられた。
今後の継続のためには、こうした問題点を踏まえ、改善策を検討していきたい。