12.NPO法人 チャルカ・ジャパン

〇テーマ:

「豪雨災害で被災した高齢過疎の山間地を元気にする鳥屋山(とやさん)登山道再生交流事業」

〇概要:

九州北部豪雨、西日本豪雨被害により被災した鳥屋山(とやさん)登山道再生と周辺の神社境内の復興整備を、地元高齢者と福岡都市圏に住む人たちとの交流を併せて行う。

〇実施内容:
◎鳥屋山山道、周辺道路、神社および河川公園の草刈り及び保守
◎地域のお祭り等の運営補助

2019/5~11
地域関係者との打合せ(月2回 1名)
整備個所の調査、作業準備、使用機材の保守など(月1~2回 延4名)
2019/7/7
鳥屋山登山道 河川公園の流木排除、草刈り 20名
2019/9/15
県道周辺の草刈り 独居高齢者宅前に流れ込んだ土砂出し 4名
2019/10/6
収穫祭の運営補助 4名
2019/10/14
鳥屋山登山道 河川公園の流木排除、草刈り 土砂出し 25名
2019/2/15-20
対象地内の残流木等の処理 2名

 

〇事業の効果:

平成30年九州北部豪雨で壊滅的な状況になった、集落内唯一の観光資源である鳥屋山の登山道は倒木や流木、山道の崩落で登山できる状態ではなくなりました。
地域の力で復旧・整備しなくてはならない箇所もあるのですが、災害で流出した人口と高齢化により、地域コミュニティーだけでは人手が足りず、手を付けられない状況になっていました。

本年度より、行政による登山道の復旧工事が進んで来たため、7月に1回目の登山道整備と、周辺の河川にある公園の整備を行いました。
夏休みシーズンに備えることにしたのです。

ところが、この年も週末の大雨、台風接近により、夏休み期間中のほとんどに避難指示が出てしまい、観光客を迎え入れる環境にはなりませんでした。
また、7月に整備したばかりの山道と河川公園も、大雨により損壊してしまい、振出しに戻らざるを得ない事態となってしまったのです。

しかし、9月、10月に有志で集まり、出来る限りの復旧作業と集落の祭りの運営補助を行うなど、閉鎖的だったこの集落に外部の人たちの力が加わり、それにつられて、集落の人たちも少しずつ動き始めてきました。

10月14日の作業では、かつてない人数が集まり、8月の台風で流れて来た流木や枝葉なども整理し、高齢化と災害で人が居なくなってしまった山里の住民だけでは、とても腰の折れる作業を一気に行う事が出来て、地域の雰囲気に活気が出てきたように感じました。

10月に集積した流木等は、2020年2月に処理し、この事業はひとまず終了としました。

豪雨災害の時でさえ、外部の支援者がなかなか入りにくかったこの地の人たちがやっと外部の人たちとの交流を通して、「受援力」が高まったと同時に、外部の人たちを受けられなかった、今までの風土を改めようとする気宇運河少しずつ高まってきたようです。

この事業をとおして、せっかく手を入れた鳥屋山の山道がふりだしに戻ったのは残念ですが、住民の意識が外部を受け入れようとする機運に変化したことが、一番の収穫だったのかもしれません。